2025年4月16日放送「ホンマでっか!?TV」で美しい髪の毛とカマンベールチーズとの関係について、管理栄養士の菊池真由子さんが教えてくれました。
この記事では、番組内で紹介された内容、紹介された情報を独自で深堀りしていきます。
カマンベールが美しい髪の毛に良い?ホンマでっかTVでの内容
2025年4月16日放送の「ホンマでっか!?TV」では、カマンベールチーズが“美髪に良い食材”として紹介されました。解説を担当したのは、管理栄養士の菊池真由子さんです。
紹介の中で注目されたのは、カマンベールに含まれる6種類の栄養素です。たんぱく質・亜鉛・銅・ビタミンB2・B6・ビオチンといった成分は、髪の毛の成長や維持に関わるもので、それらが1つの食品にそろっている点が強調されました。このような組み合わせが含まれる食品は少なく、効率的に栄養補給ができるとして評価されています。
特にたんぱく質は、髪の主成分であるケラチンの材料となる重要な成分です。亜鉛は新陳代謝を促進し、髪の生まれ変わりに関与します。銅は色素の合成を助け、白髪の予防にも関係していると言われています。
番組内では「1ホールの6分の1(約30g)」を目安に食べればよく、わかめより効率的だというコメントもありました。ただし、出演者のぼる塾・田辺智加さんのように、ハチミツやナッツを加えて食べる場合は、糖質・脂質が増えるため、摂取量には注意が必要です。
この放送をきっかけに、カマンベールの栄養価が広く知られるようになりましたが、どこまで美髪に効果があるかは、次の見出しでさらに詳しく検証していきます。
カマンベールの栄養素を他の食品と比較
ここでは、カマンベールチーズに含まれる髪に関係する栄養素が、他の食品と比べてどれほど優れているのかを見ていきます。まずは同じチーズ類の中での比較から、その後、海藻や動物性食品などとの違いについても紹介します。
他のチーズと比較
同じチーズ類でも栄養素には差があります。たとえば、チェダーチーズはカマンベールよりもたんぱく質や亜鉛の含有量が高く、100gあたりの栄養価では上回る部分もあります。一方、モッツァレラチーズは脂質がやや控えめで、たんぱく質やミネラルは同程度ですが、ビタミンB群の含有量は低めです。
栄養素(100gあたり) | カマンベール | チェダー | モッツァレラ |
---|---|---|---|
エネルギー | 291 kcal | 390 kcal | 269 kcal |
たんぱく質 | 19.1 g | 25.7 g | 18.4 g |
亜鉛 | 2.8 mg | 4.0 mg | 2.8 mg |
銅 | 0.02 mg | 0.07 mg | 0.02 mg |
ビタミンB₂ | 0.48 mg | 0.45 mg | 0.19 mg |
ビタミンB₆ | 0.08 mg | 0.07 mg | 0.02 mg |
ビオチン | 6.3 µg | 2.7 µg | – |
食塩相当量 | 2.0 g | 2.0 g | 0.2 g |
つまり、カマンベールは「6種類の栄養素がバランスよく含まれている」という点では優秀ですが、特定の成分を多くとりたい場合は他のチーズの方が適している場合もあります。
たとえば、筋肉の材料としてたんぱく質を重視したい人にはチェダー、脂質を抑えたい人にはモッツァレラの方が合っているかもしれません。
このように、どのチーズが最適かは、目的や栄養バランスによって変わってくるのです。
その他の食品と比較
前述の通り、カマンベールは1食品で多くの栄養素をとれるという点が特徴ですが、より高濃度で栄養を含む食品もあります。
例えば、豚レバーは亜鉛や銅、ビタミンB群が非常に豊富で、50gの摂取でほぼ1日の推奨量を満たせる成分もあります。また、鶏卵はたんぱく質とビオチンを効率よく摂れる優れた食材です。さらに、牡蠣は少量で大量の亜鉛を含んでおり、銅の補給にも向いています。
このような食品は、栄養素の濃度という点ではカマンベールを上回るものが多いですが、調理の手間や食べやすさを考えると、カマンベールの「手軽さ」もまた魅力の一つです。
いずれにしても、特定の食品だけに頼るのではなく、さまざまな食材をバランスよく取り入れることが、美しい髪を育てる基本となります。
カマンベールは髪に本当に良いのか?
カマンベールチーズは、たんぱく質やミネラル、ビタミンB群など、髪の健康に関わる栄養素をいくつも含んでいることから、「美髪に効果がある」として注目を集めています。しかし、それだけで髪がすぐに美しくなるかというと、話はそう簡単ではありません。
髪に関係する6つの栄養素がそろっている
カマンベールには、たんぱく質・亜鉛・銅・ビタミンB2・B6・ビオチンといった、髪の構成や成長に関わる栄養素が含まれています。
たとえば、たんぱく質は髪の主成分であるケラチンの材料ですし、亜鉛は新陳代謝を支え、髪の生まれ変わりに関与します。さらに、ビオチンは欠乏すると脱毛が起こることもあり、健康な髪を保つためには欠かせない栄養素です。
このように、1つの食品にこれだけの栄養が含まれている点は確かに魅力です。
問題は“量”と“栄養バランス”
ただし、栄養素が入っているからといって、それが十分な量とは限りません。例えばカマンベール30g(ホールの6分の1)では、たんぱく質は約5.7g、亜鉛は0.84mg、ビオチンは約1.9μgと、どれも1日の推奨量の5~12%程度にとどまります。
つまり、カマンベールだけを食べていれば髪が丈夫になる、というわけではなく、他の食品からも栄養をしっかり摂る必要があります。
脂質と塩分にも注意が必要
さらに気になるのは脂質と塩分です。カマンベールは100gあたり24.7gの脂質を含み、30gでも脂質は約7g。塩分も2g近くあるため、食べすぎればカロリーや塩分の摂りすぎにつながる可能性があります。
髪の健康のためにカマンベールを取り入れても、体重や内臓脂肪が増えてしまっては健康全体に悪影響を与えることも考えられます。
カマンベールは“補助食品”として考えるのがベスト
このように考えると、カマンベールは「髪に関わる栄養素を一度に摂れる、便利な補助食品」として活用するのが最適です。確かに魅力的な栄養バランスを持っていますが、それだけに頼るのではなく、卵・レバー・魚介・海藻など他の栄養豊富な食材と組み合わせて食べることが重要です。
日常の食事全体を見直し、バランスよく栄養を取り入れていくことが、美しい髪を育てる本当の近道だと言えるでしょう。