2025年4月16日放送「ホンマでっか!?TV」では、EN body conditioning salonの白石明世さんが育毛鍼灸の先生として出演。ツボで対策するパサつく髪の毛についてご紹介されました。
この記事では、番組で紹介された髪質の改善方法だけでなく、より深堀りしたものをご紹介します。
番組で紹介された鍼灸治療・ツボと髪の毛について
育毛鍼灸院・白石明世さんとは?鍼灸とセルフケアで髪質が変わる?
白石明世さんは、東洋医学の視点から体全体を整えることで髪の健康を目指す鍼灸院の先生です。
芸人のアインシュタイン・稲田さんが通っていることでも話題になりました。
一般的なヘアケアが「外側からのアプローチ」であるのに対し、白石さんの施術は「内側から整える」ことに重きを置いている点が特徴です。
実際、白石さんのもとで鍼灸治療とセルフケアを続けたことで、髪質や頭皮の状態に変化があったという声もあるようです。これは、血流や代謝の改善によって毛根への栄養が届きやすくなるためと考えられています。
髪の毛がパサつく原因は「足のむくみ」?「津液(しんえき)」とは?
このように言うと意外かもしれませんが、東洋医学では「足のむくみが髪のパサつきにつながる」とされています。これは体内の水分バランスを表す「津液(しんえき)」という概念に基づいています。津液とは、汗や唾液、血液以外の体内水分のことで、肌や髪を潤す役割を持つとされています。
体が冷えたり、循環が滞ったりすると、津液がうまく全身に行き渡らなくなり、その結果として髪にうるおいが届かなくなるというのが、東洋医学的な考え方です。特に下半身のむくみは、津液の停滞を示すサインとされることもあります。
ただし、この理論はあくまで東洋医学的な視点であり、理解の際にはその前提を踏まえる必要があります。
髪にいいツボ「陰陵泉(いんりょうせん)」とは
陰陵泉(いんりょうせん)は、東洋医学において水分代謝やむくみの改善に効果があるとされるツボです。
内くるぶしから骨を辿って膝(ひざ)の骨の下に位置しています。ここを指で押すと、むくみのある人には特に痛みを感じることが多いといわれています。

テレビ番組「ホンマでっか!?TV」で白石明世さんは、このツボを毎日10秒ほど軽く押すことで、巡りが良くなり、むくみの改善に役立つとされています。そして、むくみの解消によって髪の毛にうるおいが戻るという理論です。
ツボ刺激や鍼灸治療に科学的根拠は?東洋医学の発毛理論について
ツボ刺激や鍼灸で髪は生える?現代医学と東洋医学の接点とは
東洋医学では「髪は血の余り」と考えられ、体の血行やエネルギーの流れが悪くなると、髪に十分な栄養が届かなくなるとされています。特に「腎の力(腎精)」が髪の成長に関わるという理論もあり、加齢や疲労が髪のトラブルに直結すると捉えられています。
一方で、現代医学でも血流が毛包の健康に関与している点では共通しています。例えば、血管新生因子(VEGF)を増やした動物では毛が濃くなるといった実験結果もあるため、血流改善が発毛を促す可能性は否定できません。
このように、東洋医学の理論は現代の科学と部分的に重なる部分があるため、完全な迷信ではありません。ただし、東洋医学的な言葉の意味をそのまま鵜呑みにせず、背景にある体全体のバランスという考え方に着目することが大切です。
鍼灸やツボ刺激にエビデンスはある?効果の現実と注意点
実際に鍼灸が髪にどれだけ効果があるのか、という点については、科学的に明確な答えは出ていません。
小規模な研究では一定の効果が見られたケースもありますが、対象者数が少なく、手法も統一されていないため、信頼性には限界があります。
また、ツボ刺激によるむくみ改善や自律神経の調整は一部で報告されていますが、「髪が生えた」「パサつきがなくなった」といった美容面での明確な変化については、エビデンスが不足しています。
だからといって意味がないということではありません。鍼灸やツボ押しは、心身のバランスを整える一助になり、ストレスによる抜け毛に悩む方には間接的な効果を期待できることもあります。
ただし、髪の悩みを改善したい場合は、医師の診断や標準的な治療法(ミノキシジルやフィナステリドなど)と併用することが現実的と考えられています。